お嬢様♡レッスン
第112章 葛城の秘書教育
「そうよ!別に好きじゃあないわ。私は、私に靡かない男が平伏す姿が見たいだけよ!」
そう言って自分の気持ちを隠す橘。
本当は分かっている。
葛城が自分に見向きもしない事も。
努力をしない人間を好ましく思わない事も。
研修を始めてから、様々な事を吸収し成長していく須藤を葛城は認めているのは感じている。
あろうことか婚約者の写真の様なプライベートまで須藤に見せていたとは。
須藤は部下として仕事を認められただけではなく、人としてもプライベートを見せても良い人間と判断されたと言う事だ。
それが面白くない。
橘の言う『女の意地』とは葛城に向けたものではなく、須藤ひとみに向けられたものだったのだ。
須藤に勝つには、彼女が為し得なかった『女として認められる』事。
一度切りでもいい。
彼に抱かれたと言う事実さえ作る事が出来れば、須藤に女として勝ったと言える。
橘はそう思ったのだ。
須藤からしてみれば、そんな事は過去の事で、女として認められなくても仕事で認められる事に喜びを感じていた。
上司からの『有難う』『よくやってくれた』等の言葉を貰う事が、今の須藤にとっては何よりも嬉しい。
葛城が来なかったら、その事に気付かないまま、適当に仕事をし、適当なところで相手を見つけて、つまらない人生を送る事になっていただろう。
そう言って自分の気持ちを隠す橘。
本当は分かっている。
葛城が自分に見向きもしない事も。
努力をしない人間を好ましく思わない事も。
研修を始めてから、様々な事を吸収し成長していく須藤を葛城は認めているのは感じている。
あろうことか婚約者の写真の様なプライベートまで須藤に見せていたとは。
須藤は部下として仕事を認められただけではなく、人としてもプライベートを見せても良い人間と判断されたと言う事だ。
それが面白くない。
橘の言う『女の意地』とは葛城に向けたものではなく、須藤ひとみに向けられたものだったのだ。
須藤に勝つには、彼女が為し得なかった『女として認められる』事。
一度切りでもいい。
彼に抱かれたと言う事実さえ作る事が出来れば、須藤に女として勝ったと言える。
橘はそう思ったのだ。
須藤からしてみれば、そんな事は過去の事で、女として認められなくても仕事で認められる事に喜びを感じていた。
上司からの『有難う』『よくやってくれた』等の言葉を貰う事が、今の須藤にとっては何よりも嬉しい。
葛城が来なかったら、その事に気付かないまま、適当に仕事をし、適当なところで相手を見つけて、つまらない人生を送る事になっていただろう。