
お嬢様♡レッスン
第113章 葛城の闘い
「もう!副社長のエッチィ~!」
甘えた声でそう言いながら橘は上司の胸の辺りを指でツンと突く。
そんなベタなやりとりに鼻の下を伸ばしながらも、『それじゃあ、ちょっと行ってくる』と言って副社長は葛城の役員室へと向かった。
彼が入るなり、葛城はにこやかに彼に椅子を勧め、カウンターの上に準備していたお茶のセットで彼に振る舞う為のお茶を淹れる。
「お忙しいところをお呼び立てして申し訳ございません」
葛城がそう詫びながら、茶托に載せた茶碗を静かに彼の前に置く。
綺麗に済んだ、薄黄緑色のお茶。
彼は茶碗を手に取ると、それを口へと運び、一服口に含んだ。
「ほう!美味しいお茶ですなぁ…。爽やかな苦みの中に仄かに感じる甘味…玉露ですか?」
そう感嘆の声を上げる。
「流石、お茶の味が分かっていらっしゃいますね!やはり、毎日お飲みになっていらっしゃれば分かりますよね?」
そう言われて副社長は絶句する。
橘あかりの淹れるお茶は、これと比べようがない程、濃くて不味い。
あれが玉露だったとは。
何と勿体ない淹れ方をしているのだ。
「ちなみに貴方の秘書である橘さん以外の秘書が淹れても同じような味ですよ?」
「ははは…。そうでしたか…」
「ええ。橘さんにも同じ様に指導しているのですが、橘さんは随分と不器用な女性のようですねぇ。」
甘えた声でそう言いながら橘は上司の胸の辺りを指でツンと突く。
そんなベタなやりとりに鼻の下を伸ばしながらも、『それじゃあ、ちょっと行ってくる』と言って副社長は葛城の役員室へと向かった。
彼が入るなり、葛城はにこやかに彼に椅子を勧め、カウンターの上に準備していたお茶のセットで彼に振る舞う為のお茶を淹れる。
「お忙しいところをお呼び立てして申し訳ございません」
葛城がそう詫びながら、茶托に載せた茶碗を静かに彼の前に置く。
綺麗に済んだ、薄黄緑色のお茶。
彼は茶碗を手に取ると、それを口へと運び、一服口に含んだ。
「ほう!美味しいお茶ですなぁ…。爽やかな苦みの中に仄かに感じる甘味…玉露ですか?」
そう感嘆の声を上げる。
「流石、お茶の味が分かっていらっしゃいますね!やはり、毎日お飲みになっていらっしゃれば分かりますよね?」
そう言われて副社長は絶句する。
橘あかりの淹れるお茶は、これと比べようがない程、濃くて不味い。
あれが玉露だったとは。
何と勿体ない淹れ方をしているのだ。
「ちなみに貴方の秘書である橘さん以外の秘書が淹れても同じような味ですよ?」
「ははは…。そうでしたか…」
「ええ。橘さんにも同じ様に指導しているのですが、橘さんは随分と不器用な女性のようですねぇ。」
