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お嬢様♡レッスン

第113章 葛城の闘い

「これは、東乃宮の本部の総意です。勿論、貴女のお父様の橘部長もグループの遣り方にはご納得されている筈ですよ?」

父親の力で、この会社に入ったが、その父がこの人事に納得しているとすれば、泣き着く事が出来ない。

しかし、それは分かり切っていた事だ。

だから副社長という保険を掛けたのだから。

「でしたら副社長は?私は副社長にとってはなくてはならない秘書だと思いますけど?これまで、精神誠意尽くしてきましたし!」

そう言って橘は胸を張る。

葛城はそれを鼻で笑い飛ばした。

「笑止!お茶も満足に淹れられない秘書を副社長が必要だとお思いですか?」

「お…お茶を淹れるだけが秘書の仕事ではありませんわ!」

「ですが、貴女は陸に資料も作れないではありませんか?」

「だけどっ!副社長は私をクビにしないって約束してくれたわっ!」

「副社長の下半身のお世話は秘書の仕事ではありませんよ?」

「なっ!?」

「副社長が貴女をクビにしないと言う根拠はこれでしょう?」

葛城はそう言うと懐から、ICレコーダーを出して再生ボタンを押した。

そこから流れて来たのは男女の会話。

女の声は『あかり』と自分の名を口にしている。

「こ…これは……っ!!」

「昼休みの時の貴女と副社長の会話でしょうねぇ?随分と甘い声をお出しになって…」

そう言うと葛城はクスクスと忍び笑いを漏らした。

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