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お嬢様♡レッスン

第113章 葛城の闘い

「どう言う意味よ?」

「副社長が貴女を私に任せた時点で、貴女は彼の庇護の下から外れました。折角、身体を使ったのに無駄でしたね?」

「そ…そんなっ!」

「分かったでしょう?いかに短絡的だったのか。私に色仕掛けをしても無駄ですよ。私にとって、貴女は価値がない。価値がない女性を抱けば、自分の価値が下がる。そう考えておりますので」

「………っ!!」

葛城の言葉は、橘のプライドをずたずたにした。

『価値のない女』

そうはっきりと言われたのだ。

橘はガックリと膝を折り、その場に崩れ落ちる。

目から熱い雫がぽとりと落ち、カーペットへと吸い込まれていく。

今まで男性から浴びせられた賛辞を思い出して、自分を奮い立たせようとするが、無駄だった。

立ち直れない。

床に伏せて泣きながら、橘はそう思った。

「私にとって貴女は女性としての価値はありません。ですが、人としての価値、部下としての価値…それは貴女次第で上がります」

そう言うと葛城は、椅子から立ち上がり、平伏している橘の傍に跪く。

「本当のご自分の価値を見極めて磨くお気持ちがあるのでしたら、お手伝いを致します。如何ですか?」

それまでとは違った優しい声音で葛城は橘に語り掛ける。

「外見の美しさだけですと、時と共に失われていきます。しかし内面が輝いていれば、それはその人の味となり、魅力になります。それを今から磨きませんか?」

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