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お嬢様♡レッスン

第113章 葛城の闘い

「私は別に貴女が憎くてこんな事をしている訳ではありません。そして見込みがなければこの様な事も申しません」

橘あかりは身動ぎもせずに葛城の言葉に耳を傾ける。

「貴女の価値は外見的な美しさだけではありません。貴女は学生時代は成績も良かった。それなのに何故こんな馬鹿げた事を選択されたのか、残念でなりません」

「…だって……」

「何ですか?」

「だって!男の人は馬鹿な女の方が好きなんでしょう!?女は黙ってニコニコして脚を開いていれば良いんでしょう!?」

橘は顔を上げると真っ赤な目を葛城に向けて、苦々し気にそう言った。

「一体、誰がそんな事を…?」

「皆よ!私の周りにいる男の人は皆そう言ってたわ!」

苦し気にそう吐き出す橘。

その言葉に葛城は溜息を零した。

「そんな馬鹿な男の言う事を信じてご自分の価値を下げていたのですか?貴女には貴女の価値観があったのでしょう?だから、社内恋愛ではなく、積極的に本部の者との出会いを求めていた」

そう言いながら葛城は立ち上がると、橘が脱ぎ捨てた上着とブラウスを拾い上げる。

「貴女の求めるものは間違いではありません。しかしながら、彼等は何が本当に価値のある事なのかを知っている人達です。それはね、橘さん?美しい女性でも、簡単に脚を開く馬鹿な女性でもありません」

葛城は拾い上げた橘の服を彼女の肩に掛けながら、優しく語り掛ける。

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