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お嬢様♡レッスン

第113章 葛城の闘い

「努力を惜しまず、仕事にも恋愛にも一生懸命に取り組む人。壁に突き当たっても、最終的には前に進んで行く人…。そう言う人をパートナーに選ぶ人が多いようですよ?」

「………」

「壁に突き当たった時…。乗り越えられなければ回り道をすればいい。例えそれが引き返す事になっても、最終的に前に進んでいれば良いんです。だからね、橘さん?貴女も前に進めば良いと私は思うんです」

そう言うと葛城は優しく微笑んで、橘の顔を覗き込んだ。

「如何ですか?皆で前に進んでみませんか?」

そう言う葛城の瞳を橘はじっと見つめる。

彼の瞳の中には、泣きはらした自分の顔が映っていた。

その顔を見て、橘はポツリと零し顔を背ける。

「みっともないですね…私…」

自分の情けない顔を見ていたくない。

「今までの貴女でしたらね。でも、自分で自分をそう思えたのなら進歩です。それが貴女を変えるチャンスです」

「出来るでしょうか?私に…」

「こちらを向いて御覧なさい」

そう言うと葛城は、橘の顎に手を添え、自分の方へと顔を向けさせる。

そして彼女の瞳の奥を見据える様に、じっと彼女を見つめた。

「出来ますよ。貴女が望めば」

そう言う葛城の声はどこまでも優しく、橘の心に沁みて行く。

「私…変わりたいです。上辺だけでなく、本当の私を見てくれる男性にも出会いたいし、仕事だってもっと…頑張りたいっ!」


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