
お嬢様♡レッスン
第114章 秘書のお仕事
コーヒーを好んで飲む人は、その香りを愉しむ。
だから挽き立ての豆の方が良い。
「いい香りですね」
黒崎が鼻をくんくんと鳴らして、その香りを嗅ぐとそう言って爽やかな笑顔を浮かべる。
橘の心臓は、その笑顔にドキリと跳ねた。
葛城の様な大人の色香はないが、黒崎とて一般的には”イケメン”と言われる部類に属す男だ。
そして彼の仕事ぶりは尊敬に値する。
彼は上司達だけではなく、来客者の好みも全て把握し、それに合わせて対応する。
それに爽やかで優しい。
そんな事を思い始めると、橘は急速に黒崎を意識し始める。
(駄目!まだ自分は完璧じゃない。こんな自分では黒崎さんには釣り合わない)
そう思い、暴走しそうな気持ちを抑える橘。
彼女のそんな気持ちを知らない黒崎は、『それじゃあ、お願いします』と言って副社長室へと戻って行った。
「はぁ…、素敵な人だな黒崎さんって…」
そう一人ごちた時だった。
「ええ~!?橘さんったら趣旨変え?」
そう言って顔を覗き込んで来たのは柏原だった。
「なっ!?聞いてたの」
「聞こちゃったんだもの仕方がないでしょ?」
そう言うと柏原は棚から茶筒を取り出し、橘の隣で茶を淹れる準備をし始めた。
「黒崎さん、良いわよね。見習いだなんて言ってたけど、仕事も出来るし…。私、狙っちゃおうかなぁ」
「ええ!?柏原さん、黒崎さんの事…?」
だから挽き立ての豆の方が良い。
「いい香りですね」
黒崎が鼻をくんくんと鳴らして、その香りを嗅ぐとそう言って爽やかな笑顔を浮かべる。
橘の心臓は、その笑顔にドキリと跳ねた。
葛城の様な大人の色香はないが、黒崎とて一般的には”イケメン”と言われる部類に属す男だ。
そして彼の仕事ぶりは尊敬に値する。
彼は上司達だけではなく、来客者の好みも全て把握し、それに合わせて対応する。
それに爽やかで優しい。
そんな事を思い始めると、橘は急速に黒崎を意識し始める。
(駄目!まだ自分は完璧じゃない。こんな自分では黒崎さんには釣り合わない)
そう思い、暴走しそうな気持ちを抑える橘。
彼女のそんな気持ちを知らない黒崎は、『それじゃあ、お願いします』と言って副社長室へと戻って行った。
「はぁ…、素敵な人だな黒崎さんって…」
そう一人ごちた時だった。
「ええ~!?橘さんったら趣旨変え?」
そう言って顔を覗き込んで来たのは柏原だった。
「なっ!?聞いてたの」
「聞こちゃったんだもの仕方がないでしょ?」
そう言うと柏原は棚から茶筒を取り出し、橘の隣で茶を淹れる準備をし始めた。
「黒崎さん、良いわよね。見習いだなんて言ってたけど、仕事も出来るし…。私、狙っちゃおうかなぁ」
「ええ!?柏原さん、黒崎さんの事…?」
