
お嬢様♡レッスン
第114章 秘書のお仕事
「本部に研修に行った時、色々と黒崎さんが教えてくれたの。彼、まだ大学院に通っているんだけど、勉強をしながら秘書の仕事もこなして…。すっごい努力家なのよ!」
「そう…。良く知ってるのね」
「まぁね。本部での研修期間中は、お昼に誘って貰ったりしていたし。彼ね、本部でも凄く評判がいいの!」
「ふぅ~ん?」
柏原が自慢気に黒崎の事を話すのが、橘は面白くない。
しかし、コーヒーを淹れる手を動かしながら、彼女が繰り出して来る黒崎の情報を心に記憶させた。
今は未だ、恋に現を抜かしている場合ではない。
一人前の秘書になって、認めて貰う事。
それが今の自分の目標だ。
だから柏原の挑発になんか乗らない。
焦ったところで、中途半端な今の自分では彼の心を掴む事など、出来る筈がない。
それに、未だ黒崎を本気で好きだと自覚している訳ではないのだ。
今、芽生えたばかりの気持ち。
それを大事にしよう。
橘はそう思った。
彼女は盆にコーヒーを淹れたカップを載せると『お先に』と柏原に言って給湯室を後にする。
今はお客様をもてなす事だけを考える。
給湯室から去っていく橘の後ろ姿を見て、柏原は笑みを浮かべた。
(今度こそ頑張って!)
柏原もお茶を淹れ終えると、盆に茶椀を載せ、常務室へと向かうのだった。
「そう…。良く知ってるのね」
「まぁね。本部での研修期間中は、お昼に誘って貰ったりしていたし。彼ね、本部でも凄く評判がいいの!」
「ふぅ~ん?」
柏原が自慢気に黒崎の事を話すのが、橘は面白くない。
しかし、コーヒーを淹れる手を動かしながら、彼女が繰り出して来る黒崎の情報を心に記憶させた。
今は未だ、恋に現を抜かしている場合ではない。
一人前の秘書になって、認めて貰う事。
それが今の自分の目標だ。
だから柏原の挑発になんか乗らない。
焦ったところで、中途半端な今の自分では彼の心を掴む事など、出来る筈がない。
それに、未だ黒崎を本気で好きだと自覚している訳ではないのだ。
今、芽生えたばかりの気持ち。
それを大事にしよう。
橘はそう思った。
彼女は盆にコーヒーを淹れたカップを載せると『お先に』と柏原に言って給湯室を後にする。
今はお客様をもてなす事だけを考える。
給湯室から去っていく橘の後ろ姿を見て、柏原は笑みを浮かべた。
(今度こそ頑張って!)
柏原もお茶を淹れ終えると、盆に茶椀を載せ、常務室へと向かうのだった。
