無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

その度に彼女の気持ちが手に入らない切なさと、その彼女を彼から引き離している罪悪感に苛まれていた。

彼女の代わりに、彼女の娘を等とは都合が良過ぎる事かも知れない。

だが、彼女の娘であれば、彼女同様愛せる自信がある。

だから、そうなってくれれば嬉しい。

そんな事をフレデリクは兄と綾芽の会話を聞きながら思っていた。

「そうなると、私って二人のお義母さんになるのね…。何か複雑だわ」

「そうか。そうなるね。じゃあ、今から練習でもしておこうか？お義母さん？」

「もう！冗談がキツイわよ？ウィル」

「ふふふ。ゴメン。………でも、これだけは言わせて？君の幸せを心から願ってる」

そう言うとウィリアムは綾芽の手に自分の手を重ねて彼女を見つめる。

「ウィル…」

「僕も…。君の幸せを願ってる。今は辛いけど…。でも君は色んな事を僕に教えてくれたから…」

そう言ってフレデリクも綾芽の手を取り、彼女の手の甲に口付けを落とした。

「二人共…。有難う。二人に出会えて本当に良かった。素敵な時間を有難う。私も二人の幸せを心から願っているわ」

「うん。それじゃあ、慎吾と頑張って可愛い女の子を産んでね？」

「ええ!?」

「そうそう。僕達の幸せの為に、頑張ってね！」

「もう！フレデリクまで!?」

綾芽を揶揄うようにそう言って笑うロートマン兄弟。