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お嬢様♡レッスン

第115章 別離の刻(わかれのとき)

「ああ、そうだよ。僕もここで学んだんだよ」

懐かしそうに門の中を眺めながらウィリアムが答えた。

「まぁ、今からあの生活をしろと言われても御免だけどね」

そう言って肩を竦めるウィリアム。

「ちょっと!兄さん?今から僕はあの牢獄へ戻るんだから、そう言う事を言うのは止めてくれない!?」

ウィリアムの言葉にフレデリクはジロリと兄を睨んだ。

「牢獄って…。そんなに凄いところなの?」

「ああ、かなり厳しいよ。まるで軍隊のようだね」

「だけど、僕は誇りに思っているよ。兄さんは違うの?」

「勿論、思っているさ」

そんな風に話をしていると『やぁ!フレデリクじゃないか』と聞き覚えのある声が聞こえて来る。

声の方を三人が振り返ると、フレデリクの友人であるチャールズが片手を上げて近付いて来た。

「やぁ!チャールズ」

そう言うとフレデリクとチャールズはハグをする。

チャールズは身体をフレデリクから離すと、まじまじと彼を見て言った。

「何か雰囲気が変わったな。何か…こう…男って感じがする!」

「どうしたんだよ?急に…」

「いや、遠目で見たら分からなかったよ。君の兄上がいらしたから、分かったようなものだもの」

二人の会話を遮る様に、ウィリアムがチャールズに声を掛ける。

「やぁ、チャールズ。フレデリクがいつもお世話になっているね」

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