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お嬢様♡レッスン

第115章 別離の刻(わかれのとき)

「いえ、こちらこそ。いつもフレデリクにはお世話になっております」

そう言うとチャールズはウィリアムの手を握り、握手を交わした。

そしてチャールズはウィリアムの隣に佇む綾芽に気付くと彼女に笑顔を見せた。

「貴女は!お久し振りです!」

そう言って綾芽に手を差し出す。

彼女は彼の手を握ると、チャールズは膝を落として彼女の指先に口付けた。

「ちょっ!?チャールズ!綾芽に何を?」

一歩前へ出て、チャールズを綾芽から引き剥がそうとするフレデリク。

「何だよ、これくらい。紳士として淑女(レディ)に挨拶するのは当然の事だろう?」

「だって…前は…」

「あの時は学校から離れていたし、誰も僕をイートンの生徒だなんて分からないけれど、今は違う。僕はイートンの生徒として、紳士的に振る舞っているだけだよ?」

そう言うチャールズの言葉に、ウィリアムが声を上げて笑った。

「どうやら、お前の負けだよ?フレデリク。チャールズの方が、きちんと心得ているようだ。見習わないとね?」

ウィリアムはそう言うとフレデリクにウィンクして見せる。

「ふん!僕だって…」

じゃれ合う兄弟を微笑ましいと見守る綾芽に、チャールズが小声で話し掛ける。

「フレデリクが変わったのは、貴女のお陰でしょう?有難うございます」

「え?そんな、私は…」

「ふふ。隠さなくてもいいですよ?彼が変わったのは間違いなく貴女の影響だ」

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