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お嬢様♡レッスン

第115章 別離の刻(わかれのとき)

「そうでしょうか?」

「それ以外に考えられません。彼を男にしてくれて有難うございます。僕も貴女見たいな人に出会いたかったなぁ…」

そう言って人懐こい笑顔を見せるチャールズ。

「ちょっと!?チャールズ。綾芽を口説かないでよね!?」

こそこそと話しているチャールズと綾芽に気付いたフレデリクが、鬼の形相でチャールズを睨む。

「ゴメン、ゴメン。ってかそう言うところは変わってないんだなぁ…」

「五月蠅いよ。君はご両親は来ていないのかい?ご挨拶をと思ったんだけど…」

「ああ、一人で来た。執事は居るけど…」

そう言って、後ろをチャールズが振り返るとその先には執事服を来た、彼の家の執事が車の傍で控えてこちらに頭を下げた。

ロートマン兄弟と綾芽は、チャールズの執事に向かって軽く会釈を返す。

「それより、こんなところで騒いでいると、他の人に迷惑だ。そろそろ行かないと…」

「ああ………。そうだね……」

『行こう』と言うようにチャールズがフレデリクの腕を取り、門の中へと歩き出す。

フレデリクもそれに同意しながらも、後ろ髪を引かれる想いに振り返る。

「ちょっと待って!チャールズ。綾芽とお別れがしたいんだ」

察しのいいチャールズは、彼の言葉の意味を理解し、彼の腕を放した。

「じゃあ、僕は門の中で待ってるよ」

そう言ってチャールズは門の中へと消えて行く。

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