
お嬢様♡レッスン
第115章 別離の刻(わかれのとき)
フレデリクは振り返ると、綾芽の元へ駆け寄り、彼女の肩に額を預けるようにしてギュッと抱き締めた。
「綾芽…。素敵な夏を有難う…。ずっと………君を愛してる…」
「フレデリク…」
綾芽はフレデリクの気持ちを受け取ると、彼をギュッと抱き締め返す。
心なしか、彼の額が置かれた肩の辺りが温かく濡れているのを綾芽は感じていた。
「私も……貴方の事が大好きよ?いっぱい愛してくれて…有難う…」
「………」
「………」
暫くの間、二人は無言で抱き合っていた。
言葉にはならない想いを伝え合う様に。
そして、ウィリアムはそんな二人を黙って見守っていた。
やがてフレデリクが顔を上げると、綾芽の頬に口付けを落としニッコリと笑顔を見せる。
しかし、その目は涙を零した後の様に、赤くなっていた。
「来年の夏は日本に遊びに行くよ!君と慎吾と莉玖に逢いに!だから、またね!!」
そう言うと綾芽への想いを断ち切る様に彼女から身を引き一歩後ずさった。
そしてギュッと拳を握り締めると、踵を返して門の中へと走り去って行く。
「あ……」
綾芽はその後ろ姿を黙って見ている事しか出来なかった。
フレデリクは、門の中で待っていたチャールズと落ち合うと、寮へと向かって歩いて行く。
ウィリアムはそれを見送る綾芽の隣にそっと立つと、弟の後ろ姿を見えなくなるまで一緒に見送ったのだった。
「綾芽…。素敵な夏を有難う…。ずっと………君を愛してる…」
「フレデリク…」
綾芽はフレデリクの気持ちを受け取ると、彼をギュッと抱き締め返す。
心なしか、彼の額が置かれた肩の辺りが温かく濡れているのを綾芽は感じていた。
「私も……貴方の事が大好きよ?いっぱい愛してくれて…有難う…」
「………」
「………」
暫くの間、二人は無言で抱き合っていた。
言葉にはならない想いを伝え合う様に。
そして、ウィリアムはそんな二人を黙って見守っていた。
やがてフレデリクが顔を上げると、綾芽の頬に口付けを落としニッコリと笑顔を見せる。
しかし、その目は涙を零した後の様に、赤くなっていた。
「来年の夏は日本に遊びに行くよ!君と慎吾と莉玖に逢いに!だから、またね!!」
そう言うと綾芽への想いを断ち切る様に彼女から身を引き一歩後ずさった。
そしてギュッと拳を握り締めると、踵を返して門の中へと走り去って行く。
「あ……」
綾芽はその後ろ姿を黙って見ている事しか出来なかった。
フレデリクは、門の中で待っていたチャールズと落ち合うと、寮へと向かって歩いて行く。
ウィリアムはそれを見送る綾芽の隣にそっと立つと、弟の後ろ姿を見えなくなるまで一緒に見送ったのだった。
