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お嬢様♡レッスン

第115章 別離の刻(わかれのとき)

「そうでしょう?私も彼女に仕えていた時は、そう思っておりました」

「そう言えば、葛城様は以前、東乃宮の家令をされていたとか…?」

「ええ」

「羨ましいですね」

「でしたら、是非日本で執事になられたら如何ですか?紹介しますよ?」

「いえ!結構です。私はロートマン家の執事で満足しております」

「ふふ。冗談です」

そんな会話をしていると、ヘンリーのポケットの中でスマートフォンが震えた。

「はい。ヘンリーでございます。…畏まりました。はい。今からお連れします」

ヘンリーは主からの電話に答え、通話を終えると立ち上がって葛城のスーツケースを手に取った。

「参りましょう。お二人がお待ちです」

葛城はヘンリーの言葉に頷くと立ち上がり、彼の案内でロートマン家の車に向かった。

(やっと…、やっと綾芽様を連れて帰れる…!!)

もう、二度と離しはしない。

これからはずっと傍で

彼女の成長を見守り

彼女を支えて生きて行く…

ヘンリーの後ろを付いて歩いて行くと、1台の車の傍に若い男女が立っているのが視界に入って来る。

一人は長身の陽を浴びて輝く金糸が眩い人目を引く美形の男性。



そしてもう一人は───。



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