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NAHEMA

第2章 本章

綺麗にフレンチネイルが施された細い指先がグラスに添えられ、
濃いローズピンクのルージュがのせられたふっくらとした唇が液体を含み、
その白く細い喉が静かに液体を飲み下す。

全ては完璧で妖艶だ。

俺はもう、彼女の虜になっていた。


その一杯のカクテルをゆっくりと物思いにふけるように飲み終えた彼女は。

カウンターの高いスツールからすっと立ち上がり、

折れてしまいそうなほど細いヒールをコツコツと鳴らしながら、

テーブル席を片付けていた俺に近づいてきた。


 「今日はおいしいカクテルを
  ありがとう。」


暗い照明でもはっきりとわかるほどの完璧なメイク。

そして甘く濃厚な香水の香り。



素顔を隠すように創られた容姿の裏の。

裸の彼女が知りたいと思った。


誰もが惹きつけられる美貌の裏の。

乱れた彼女の姿が見たいと思った。





あの時の俺は、若かった。

怖いものなんて、
何もないくらいに。

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