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蝶の様に麗しく

第2章 1話

「ーーで?泣いていた理由は、なんだ?」

「……」

左之さんの問いに僕は押し黙る。
っ、何でだろう。

あんなに左之さんに溺れてしまったのに、言うことが出来ない。

怖いのかな……これを言ってしまったら、先はどうなるんだろうってす。

「言えねえのか?」

「っひゃ!!ぁ……」

左之さんは戸惑う僕を抱き寄せると、お尻を触れて来た。

「ぁ…んん、んぅん……」

左之さんの手が、気持ちよくて。
僕は素直に体を預ける。

「言えよ、総司……言わなきゃ、離さねえよ。ま、そんな顔じゃ無理だがな」

「結局……離さないんじゃ、ないんですか…あぅっ、はんっ」

僕は鳴くと諦めた。
左之さんは通用しない、これくらいじゃ。

僕はキュ、と拳を軽く握りしめると話し出した。

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