
君は少しも悪くない。たぶん
第6章 One Step
「俺もそれは思った。ニノはさ、自分のこと、悪いって思いすぎなんだよ」
松潤が、抱いている肩をぽんぽんと叩いた。
ニノが、俺と松潤を交互に見比べている。
「え!?どういうことです?」
松潤が少し言い難そうに口を開いた。
「俺さぁ…」
いとおしそうにニノを見つめて、言った。
「翔くんと話したのね、この前。カズのこと」
え、という声とも吐息ともつかない無声音が、ニノの口から漏れた。
「こないだ。最初にカズのこと襲う前。そんとき、翔くんの気持ちとか、色々聞いたけど」
また、松潤が言葉を切る。
「俺は、カズが悪いなんて思わなかった。…むしろ、翔くんが悪い、というか…まぁ仕方ないか、みたいな」
ニノが天井を仰いでいる。
「まあ俺から翔くんの想いを伝えるのは筋違いだと思うし、」
うん、小さくニノが頷いた。
松潤がニノの頭を撫でる。
ニノが懸命に堪えていた涙が、一筋流れた。
それはとても、綺麗な涙だった
しばらくして、ニノが落ち着きを取り戻したところで
「だからさ、松潤の言ったように、翔くんと、ちゃんとしたら?」
俺が言葉をつないだ。
ニノが松潤を見つめる。
「そんときは俺のこと、考えなくていいからさ。」
松潤の優しい瞳に、ニノが微笑んだ。
「うん…“ちゃんと”ってのがどういうのか、よく解りませんけど…ね」
松潤が、チュッとニノの頬にキスをした。
途端に顔を真っ赤にする。
「ちょっ潤くん!!加藤くんもリーダーもいるのにっ!」
皆が爆笑していた。
「じゃ、俺も」
シゲが俺にキスをした。
そしたら、ニノも笑った。
