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誰かお願いつかまえて

第5章 夢か現実か



――翌日、私はマンションのエントランスで岡崎さんを待っていた。





あのあと何も手につかないし考えられないし、とりあえず明日は断ろうと思ってベッドの上で携帯をいじってた。

でも、いざ文章を作ろうとすると

「明日、断るのなしだから」

(きゃあああああああああああああ!!)

朝の岡崎さんがフラッシュバックしてくるからもう悶えまくって…気持ち悪いな、自分。

何度もその繰り返しをしていたら夕方になっていた。


そんなときにメッセージを受信して。
もちろん相手は岡崎さん……




明日、10時頃に迎えに行くからなー

結構動くつもりだからそのつもりでよろしく



(じゅ、10時!!そして更に断れない状況になってるし…
だいたい動くってどういうこと?!)


普段仕事の話をするのと何ら変わらない文面。
でも内容はデート?の予定。


(………………そうだ!これはデートじゃない!!
きっと岡崎さんが私のことを心配してくれて外に出そうとしてるんだ!!
うん、そうに決まってる!)


うんうんと頷きながら私は了承の返信した。



(でも…………キス、された…)

たぶん一生忘れられないであろう、ファーストキス。

(なんで部下の自分なんかにキスしたんだろう…)



考えても考えてもそれらしい理由は見つからず、
ご飯を食べてお風呂に入った後は
すぐに寝てしまった。




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