誰かお願いつかまえて
第5章 夢か現実か
『―うわぁ…だいぶ変わりましたね!ありがとうございます!』
「どういたしましてー!ショートはひさしぶり?」
『はい、高校の時以来です!
あー、頭が軽い!ショートの方が洗ったりするの楽なんですよね』
「割と扱いやすくしたから寝癖とかもつきにくいと思うわ!
忙しくてもお風呂くらいゆっくり入って休んでね?」
『はい!ありがとうございます!』
「喜んでもらって嬉しいわ!じゃあ仕上げするわね」
澪玲さんは私の髪をセットし始める。
(それにしても綺麗だなぁ、澪玲さん。
大人の女性って感じ…
スタイルもよくて、面白くて、器用で…)
見とれているとクスッと笑われてしまった………私、子どもだなぁ…
「ねぇ、波香ちゃんの好きな人のタイプってどんなかんじ?」
『そうですね……あんまり自立してない人がいいです。私が手伝うくらいでちょうどいい感じがいいですね…』
「え、ヒモでもいいの?
容姿は?なんか波香ちゃん面食いではなさそうだけど…」
『ヒモはちょっと…家事やってくれるならいいですけどねー。
容姿はちょっと人と違うくらいがいいと思います』
「なるほどねー…
波香ちゃん、好きな人を友だちとかに教えると全否定されるタイプでしょ?」
『!そうなんです!』
大地のときも顔が微妙だの、髪が少し長すぎだの、根暗っぽいとまで、それはそれはひどい言われようしたっけ…
(あんなにかっこいいのにな……)