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誰かお願いつかまえて

第5章 夢か現実か



『―澪玲さん、とっても綺麗な方でびっくりしました!
岡崎家は美形なんですね!』


「そうか?
まぁ、俺も美形の中に入れてくれるなら嬉しいけどな」


『もちろん、入れてますよ!』


隣を歩く岡崎さんが以前よりかっこよく見えるなんて失礼だから言わないけど、昨日からかっこよく見える。


(こんなにかっこよかったっけ………?)


スラッとした長身に柔らかそうな黒髪。高い鼻と二重の大きな瞳、色づく唇が綺麗な肌に映える。なんというか、色気がある。

メイクをしているわけではないのに女の私よりも綺麗………………って比べるのが間違いか。
綺麗だけど男らしさが感じられるのはなぜだろう。


今ならとても会社の女の子たちの気持ちが分かる。

私に向けた優しい笑みにドキドキしてるなんて、本人に言えるわけない……


「このあとはまた移動するからな」

『あっ、はい!分かりました!』


駐車場に着くと、助手席のドアを開けてくれた。

「間違えられると困るからな」

『…間違いませんよ』

最初の乗車の失敗を根に持たれたようだ。

(こんなイケメンの隣に座ってるなんて、岡崎さんのファンにバレたら殺される……)


いつも川端と3人のときは、大抵川端が私の隣にいるから安心して座ってられたけど
1対1だと緊張は避けられない…


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