誰かお願いつかまえて
第5章 夢か現実か
「ほら」
隣から温かい紙袋を渡された。なんだかとてもいい匂いがする。
(そういえばお腹すいてた……)
「俺の行きつけのパン屋でさっき買ってきた。焼きたてで上手いぞ」
『ありがとうございます!』
袋から出したパンはまだ温かくて1口食べるとバターの香りが広がった。
『!とてもおいしいです!ありがとうございます!』
「気に入ったなら良かった。――車出すぞ」
そしてドライブが再開した。
(岡崎さんといい、澪玲さんといい、気遣いができて大人だなぁ……
そういえば、笑顔で強引なところも似てるなぁ。でも優しいから流されちゃうんだよね…
私ももっと大人になりたいよ…)
とりあえず当面の目標は大泣きしないことと、お酒飲みすぎないこと!
…たくさんの人に心配かけちゃうからね。