誰かお願いつかまえて
第5章 夢か現実か
『いひゃいですー!はにゃしてくだひゃい!』
「お前のほっぺた伸びるな」
笑いながら両手で引っ張る岡崎さん。
『ほりゃ、あおににゃりますよ!』
信号を指さして言うとようやく離してくれた。私は頬をさすりながら、岡崎さんを睨む。
まったく、私の顔がどうなってもいいのか!?
しばらくすると。
「――もうすぐだぞ」
あの、岡崎さん富士山が見えるのですが。
いや、確かに会社でも屋上からなら見えますよ?今の時期限定ですが。
でもこんなに近いのは初めて。まさか登山?
…と思いきや日本でも屈指の遊園地に向かっていく。
『あの、岡崎さん、もしかして…』
「幸村、前に絶叫大好きだって言ってたよな?」
『言いましたよ?
いや、でも、さすがにここのは――』
「だから、そういうことだ」
出た、岡崎家名物、笑顔で強引に押し切る作戦……
そして車を駐車場に止めて、また私は岡崎さんに腕を引かれて絶叫マシーンが盛りだくさんのテーマパークに連れ行かれた…