誰かお願いつかまえて
第5章 夢か現実か
「――ほら、動くって言っただろ?」
『ほんとですね!』
いろんなアトラクションに乗っていて、自分は思っていたよりも絶叫を楽しめる人間だと分かった。
入るときこそ手を引かれていたが、辺りが暗くなりはじめるころには私が岡崎さんを連れ回していた。
「幸村のことだから、スイーツとか食べながら歩くんじゃなくて
アトラクションからアトラクションに駆け回るんだろうと思っていたんだ」
『食べるのも好きですけど、もったいないじゃないですか!!
同じアトラクションに乗ろうとしてる人がいたら走っちゃうんです』
さすがに女子力のなさすぎか、と思って頭をかく。
さっぱりした髪に冷たい風が心地よい。
「ハハ、だと思った!
…でもそろそろ夜ご飯にしないか?」
『同感です!』
動き回っていたらお腹がすいてたのだ。