誰かお願いつかまえて
第5章 夢か現実か
『――結局食後に走らされる羽目にあったじゃないですか!』
「…走らなくても良かったんだが」
じっと俺を睨んでくる幸村。お化け屋敷を出てしまえば手も離されて元の距離に戻ってしまう。
「そんなに睨むなって!……そろそろ行くか」
『…はい』
ベンチから立ち上がって園の出口に向かった。
――車に乗ると幸村が伸びをする。
『あーっ、楽しかったー!ありがとうございました!』
「楽しめたならよかったよ」
『楽しかったです!最後以外』
「クックッ、まだ言うのか?」
『いつまででも言い続けます!!ほんっとに怖かったんですから!』
帰りの車も楽しくなりそうだ…