誰かお願いつかまえて
第7章 家庭崩壊……?
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現在時刻、19:50
定時をとっくに過ぎて、営業部のフロアにいるのは俺たち3人だけだった。
「幸村!これ、直ってないから!!」
『えっ!?…ほんとだ…ごめん、川端』
俺の大事な大事な姫がついにやらかしてくれた。
ここ最近の仕事ぶりの反動だろうか…
『2人とも手伝わせてごめんなさい…』
「いいから早く打ち直せ!!」
『はい!』
資料の内容と日付、渡す相手を全てごちゃごちゃに間違えるとか……さすがというか、なんというか。
俺も川端も手伝っているからもう少ししたら終わるはずだ。
…ほとんど川端が処理してるんだが。
でも、決して不愉快ではない。むしろこうやって3人揃って残業するのが久しぶりで楽しい。…たぶん川端も同じ気持ちだろう。
『…終わりました』
「どれ、見せてみろ」
俺が確認すると、うん、ちゃんと出来てる。
「俺も終わりました…岡崎さん大丈夫ですか?」
「あぁ……2人ともお疲れさま」
「ほんと、お疲れさまでした……
全く、そろそろやると思ってたんだよ…」
『……ご迷惑おかけしました…』
しょんぼりする幸村。その姿はいつもの強気な姿とは違ってまた可愛い。川端もなんだかんだ世話を焼いているし。
『あの……2人にお話があるんですけど……』
…ん?
話?それも2人?