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誰かお願いつかまえて

第8章 持つべきものは………



『んん……』


幸村が身じろぐ。


「……そういえばナミ……」


「寝たんだっけな……」



今日は夏海を俺の家に泊める気だったからな………


悪いけど、幸村のことは送りたくないな…




「いいこと思いついた!!」



そう言うと夏海は幸村のカバンから携帯を取り出して操作し始めた。


「幸村、今どきロックもかけてないのかよ…不用心だな…」


「いや、かかってたよ?
前にSNSのユーザー名とほぼ同じって言ってたから試したら当たっただけ」


………さすが、夏海……


「それより、見てこれ」


そう言って画面を見せてきた。


画面に映る発信履歴は、ほとんどが "岡崎さん" か、"川端 駿" で埋め尽くされていて、たまに夏海の名前が出てくる。


「たぶん "岡崎さん" って方が優秀な上司で、日曜に出かけたっていう会社の人ね。
土曜も日曜も連絡取り合ってるし。

で、 "川端 駿"って方が頼れる同僚ね。回数はさっきの人より多いかも……



ねぇ、どっちに電話するべきだと思う?」



意味深な笑みで俺に聞いてくる夏海は怖い……


「どっちって………
しかも電話かよ。

つーか、会社の人にわざわざ迎えに来てもらうのかよ…」


迷惑に思われたりしないのか?











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