誰かお願いつかまえて
第8章 持つべきものは………
「うーん、さっきからメールとかメッセージの文面見てるとね、2人ともナミのこと狙ってるわけ。
迷惑どころかチャンスだと思うんだけど…」
幸村、残念だったな…お前のプライバシーは侵害されたぞ…
「でもそいつらが悪いやつだったら、幸村はまた傷つくんじゃねーの?」
「大丈夫だと思うけどなー…
遼も見てみてよ」
ごめん、幸村。俺も共犯だ…
少し罪悪感を覚えながらもメールやメッセージの受信内容を見ていると…………
「……なるほどな。夏海の言いたい気持ちがわかったよ」
要するに、2人からのアプローチ → 幸村躱す
の構図だ。
意識してかわしてるわけじゃないんだろうけどな、幸村も…
「でしょ?ねぇ、どっちにする?」
夏海、すっごい楽しそうだな…
「優秀でナミをデートに連れ出した "岡崎さん" と、親しみやすくて出遅れてるらしい "川端 駿" 」
うーん………
幸村の面倒見慣れてる方がいいよな……
「じゃ、"岡崎さん" て人の方で」
ごめん、川端 駿 とやら。1回面倒見た君の上司の方が安心して任せられるんだ……
と、心の中で会ったこともないやつに謝っていると……
「えー………却下」
はい????