誰かお願いつかまえて
第1章 私ってやつは
『ちょ、ちょっとまってよ!私、1人で帰ってたよね?』
確か、一人で大丈夫!とか言った気がするんだが…。
「強がった挙句3歩でコケたらそりゃ付き添うしかないだろ」
『え……』
どうやら自分が思ってるより酔っているらしい。今も頭は大分すっきりしたと思うが、体が言うことを聞かない。大地の肩を借りて歩くのがやっとだ。
(なんでこんな恥ずかしい状態だったのに気づかなかったんだ自分………!)
「で、お前の家どっち方面?」
いつの間に会社の最寄駅まで来ていたようだ。
『えっと、この駅から2駅………。終電ないんだよね』
タクシーを呼ぶのに一旦大地から離れようとすると、体を引き寄せられた。
『っ〜〜〜〜〜!!!大地!!!!』
真っ赤になって離れようとするがビクともしない。
「酔っぱらいは無理すんな。」
そう言ってタクシーを呼んでくれる大地。
その姿はやっぱりかっこよくて、素敵だと思う。