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誰かお願いつかまえて

第9章 女たちの戦い



――

書類管理の件から数日経っても、波香の心は晴れなかった。


腹が立つだけならまだいいものの、無性に空しくなるのだ。


それに嫌がらせはさらに続く。

前は自分から進んで請け負っていた雑務も、今では8割が嫌がらせで、そうなると自然とやろうとする気も失せる。



徐々にエスカレートしてきた嫌がらせのおかげで、だいたいどの部署の、どの人が私を陥れようとしているのか、分かるようになってきたのが唯一の救いだ。


かと言って、やり返すにもあまりいい術は浮ばないしここ数日のミスで周りの目が冷たくなった気もしていた。

きっと下手な仕返しをすれば、非難されるのは私だけ。


そんな嫌がらせに負けたような自分が嫌で、さらに腹が立ち、悪循環。



(この前なんて、川端に八つ当たりしちゃったしな…)



クリスマスの予定など聞かれて、つい怒鳴ってしまった。

慌てて岡崎さんと南ちゃんが止めにくるほどだ。



気がたっているからか、からかわれるといつもの数倍腹が立つ。


自分でも人に当たるなんてどうかしてると思うし、理不尽だと思うけど。



(でも、私はこれを解決しないとクリスマスなんて言ってられない!!)




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