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誰かお願いつかまえて

第1章 私ってやつは



カチャン


鍵を締めてリビングに戻る。

さっきまで大地が使ってたカップをキッチンに運び、洗って片付ける。


寝室のドアを開けてベッドに倒れるように横たわる。


机の方を向いていた私の目がとらえたのは山のように積まれた仕事の資料や郵便物。




『……バッカじゃないの?』


こんな部屋で大地に触れるつもりだった?



大して魅力もない私を大地が抱いてくれると思ってた?



私の事好きだって言ってくれると思ってた?



『ほんと、馬鹿すぎるでしょ………………』




大体本当に気づかなかった?


地味な服が好みだったのに明るい服で前よりも笑うようになってたこと



チラチラと携帯を気にしてたこと



私の体を支えながら決して密着することがなかったこと










長い髪から1度だけ覗いた、白い項にある




小さな小さな




キスマーク



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