誰かお願いつかまえて
第2章 仕事人間
「――あの、なんでしょうか…?」
突然呼び出されて困惑してる南に俺はため息をつく
。
「本題の前に。お前、俺と幸村とで対応に差がありすぎないか?」
「それは、幸村さんが特別だから仕方ないです。あと、できれば幸村さんと話してるときは遮らないで欲しいです。」
さらっと言ってのけた南。悪気は欠片もなさそうだ。
「…もういい。本題に入ろう。
実は幸村の調子が月曜日からおかしいんだが」
「知ってます。仕事に集中しすぎてますし、目も腫れたかと思ったらうっすらクマ出来てますし、少し痩せましたね」
平然と人の話を遮ってくる南。しかも情報が細かい。
「…それでお前に頼みごとがあるんだが。
今日の昼、アイツと一緒に食べにいって様子うかがってきてくれ」
俺の言葉に南は顔をまた赤くした。
「む、無理ですよ!!!私から誘うなんて!!!
幸村さんとお食事に行ったことはありますけど、幸村さんが誘ってくださったからで…
とととにかく!!私から誘うなんて無理です!!」
両手と顔を横にぶんぶん振って訴えてくる南。
なんで好きな男に告白してこいみたいなノリになってんだ?
「とにかく、お前じゃないとダメだから。
――そんで後でそのときの様子メールかなんかで教えて」
何を言っても無駄だろうから、そう言いおいて先にデスクに戻る。