誰かお願いつかまえて
第3章 恋愛相談??
『こんなにかわいい南ちゃんが!?1人!?』
南ちゃんは苦笑いしている。
「幸村さんは私のことを過大評価してるんですよ。
……それで、その人にも入社前にフラれちゃいました」
『!』
「"お前はつまらない"って言われちゃいました…
私、話も下手だし一緒にいて楽しくなかったんだと思います」
きっとその人は、すっごい残念な人だったんだと思う。
南ちゃんがつまらない?そんなわけないでしょう。
気も利くしかわいいし…ってあれ?
『…南ちゃんさ、嫌われないようにとかその人に気を遣いすぎてなかった?
会社のみんなに接する感じとは違った?』
「気を遣いすぎることはなかったと思います。
でもみなさんと話すときよりていねいに、そつがないように意識してた…ような気がします」
きっとそれだな…
かわいくてそつの無いいい子なんて確かにだんだん飽きてくるかも。
でもそいつも自分が気を遣わせてるって分かってない時点で論外だけどね。
南ちゃんはお世辞なしにかわいい。綺麗系よりかわいい系。黒くて大きな瞳に透けるような肌の色。
小さな唇にスッと通った鼻筋。顔も小さくてスタイルもいい。華奢で抱きしめたら折れてしまいそうなほど。
『…南ちゃんはね、そのままの南ちゃんがいいんだよ。
相手を気遣うのと自分を偽るのは違うからね?
ま、南ちゃんの良さに気づけなかった人なんて
大したこと無かったんだよ。
とにかく、ありのままの南ちゃんならすぐにでもいい人が見つかると思う!!
って、フラれた私に言われても、ね?』
南ちゃんは首を横に振った。