誰かお願いつかまえて
第4章 俺はお父さんなんかじゃない
泣きつかれたのか、早くも酔ったのか、カクテルをすごい勢いで飲み続ける幸村。
「飲みすぎだぞ」
川端が止めに入るとむっとして彼の方を向く。
『いいじゃーん!明日土曜日だしー!
あんた全然飲んでないじゃーん』
と、言っているつもりだろうが呂律が回っていない。
「…お前、もう26なんだから酒の加減くらい覚えろよ」
ため息をつき、グラスを呷る川端は男の俺が見てもかっこいい。
「幸村、そのへんにしとけよ?
お前明日頭痛くて起きられないぞ」
俺がそう言うとパッと振り向いてニコーっと笑う。
茶色い大きな瞳が俺だけに向けられている。目尻も下がってとろんとした目で見つめてくる。
そこにいつもの強さはなく、それはなかなか見ることのない彼女の無防備な姿だった。
(~~っ!やばいって!!)
『前から思ってたんですけどー、岡崎さんてー
お父さんみたいですよねー』
は????
「おとっ!?お父さん!?」
聞き間違いでなければおそらく彼女はそう言った。