
先生…お願い。早く治して・・・
第78章 治療で深まる愛
“ 何かお飲み物でも?”
『うん、お水でいい』
宮田は少し冷えたお水を綾に手渡した
綾はコップの水に2口ほど口をつけ
俯いたまま、ふぅ〜と小さく息をはくと
『あのね…』
小さな声で呟いた
宮田はベット横の椅子に腰をかかけると
“ はい” と頷いた
『私、記憶…戻ったんだ。』
“ はい。お聞きしました。良かったです。本当。”
宮田はゆっくりと、その言葉を噛み締める様に話した
『 ぅん。』
どこか寂しげに返す綾。。
“ 嬉しく…、無いのですか?”
『分からないの。。思い出した時は本当…嬉しかったよ。でも…今はよく分かんないの、本当に。。。好きなのに…好きだったはずなのに、昨日の治療が凄く嫌で怖くて……、終わってから…先生の事が…怖いの。』
