先生…お願い。早く治して・・・
第18章 初めての治療(前編)
カーテンの外で待つ宮田は
“先生、今日の治療、付き添わせて下さい。”
と頭を下げた。
石川は
「ん〜……。」と困惑の表情を見せた
“ 今回はお嬢様の執事としてではなく、医者として手伝わせて欲しいんです。”
「 ん〜……私はいいが、彼女はなんて?昨日の検査の時には付き添いは嫌だと言ってたけど?」
“お嬢様の許可は頂いております。治療中ずっと側にいると…。”
宮田の真剣な表情に
「分かった。いいだろう」
そういうと、石川はカーテンの中で待つ綾の方へと向かう。
「準備は出来たかな?」と話しかけたが、
『……。』返事が無い…
「開けるよ?」
そう言ってカーテンを少し開け、準備が出来ているのを確認すると、ベットの周りを覆うカーテンを全て開けた。