先生…お願い。早く治して・・・
第18章 初めての治療(前編)
頭から足先までしっかりとタオルケットで体を隠す綾の表情は不安で今にも泣き出しそうだった。
「大丈夫、心配いらないよ。」
綾の不安を和らげる様に、優しく語りかける
「じゃ、タオル少しずらすよ〜」
石川は、首までしっかりと被っていたタオルケットに手をかけると、お腹の辺りまで下げた。
「じゃあ、胸から診ていこうか。服捲ってくれるかな?」
綾は今にも泣き出しそうな顔で小さくコクンと、頷いた。
言われた通りキャミソールを捲りあげようと思ったが、恐怖心はさることながら、こんな間近で宮田に胸を見られることも恥ずかしくてキャミソールを握った手が胸の膨らみの所で止まってしまった。
先生は胸の途中で止まってしまったキャミソールに手を掛けると、
「綾ちゃん、大丈夫だよ。最初は薬塗るだけだから心配いらないよ。」
そう言って石川がキャミを捲り上げようとした瞬間
『やっぱり嫌っ…。』
キャミを握る手に力を入れ、拒んだ。