
先生…お願い。早く治して・・・
第82章 司馬先生の診察…そして治療
司馬「 じゃっ…連れてくるよ…」
無表情で淡々と喋る司馬に清水は
「はいっ」っと笑った
普通の患者と比べると、何倍も手が掛かるのは目に見えている、
正直、気は進まないが、しょうがない…
トントン
中から「はい」という声と共に宮田が顔を出した
「司馬先生…。」
司馬「 待たせたな。」
ズボンのポケットに手を突っ込み、ボソッと呟いた
宮田「いえ、とんでもないです。すいません、先生。宜しくお願いします。」
司馬「んで?様子は?」
宮田「今はベットで休んではいますが、熱はある様です。」
司馬「んぅ。分かった。」
そう言って綾が寝ているベットに近づく
綾は寝ている様だったが、少し息が荒い気がした
……。。
司馬は寝ている綾の額に手を当てた
綾『…んんっ。』
額を触られ、目を覚ました
目の前には久しぶりに見る司馬先生の姿…
綾『司馬…せんせぇ。』
司馬はベットに両手を着くと、綾の顔を覗き込んだ
司馬「ちょっと熱あるな…。痛みは?」
無表情で冷たく感じるが、その声はいつも私を怖がらせない様に…という優しさが感じられる。
そんな真っ直ぐに見つめてくる司馬先生に嘘は付けない…
というより嘘を付いても、直ぐに見抜かれてしまう
そう思ったら、言葉より先に目に涙が溜まっていく
司馬「お腹、痛いか?…ん??」
…言葉が出ない代わりに、溜まった涙が溢れて流れ落ちた
司馬「ちょっと触るぞ?」
そう言うと司馬は布団の中に腕を忍ばせる
見えていないはずの場所なのに、司馬先生の手は的確にそに場所を捉える
ビクンッと跳ね上がる様な痛みが綾を襲う
綾『 イヤッ!!!』
痛みに背中を丸めた
司馬「……、、ん〜〜。。。軽く触ってこれだけ痛いんじゃ、そりゃ熱も出る。とりあえず検査しよう」
