
先生…お願い。早く治して・・・
第82章 司馬先生の診察…そして治療
「泣くな!!大丈夫だ。炎症でリンパが腫れてるだけだ!大したことない!」
司馬先生なりの優しい言葉だ
『…んんぅ。』
泣きながら小さく頷いた
「とりあえず治療は後にして、先に下…検査するぞ」
頭上で押さえられていた腕もようやく解放され、露わにされていた胸もブランケットでまた隠された
だが一番の問題はここからだ。。
「先に数値測るぞ?良いな?」
綾は素直に小さく頷いた
ベットの横には数値を測る為の機械が既に用意されていた
どの先生の部屋にも同じ機械があるんだな…
司馬「膝…立てて。」
『………。。』
司馬「言うこと聞かないなら、内診台に移すぞ!」
抑揚のない、淡々とした言葉はとても怖い…
即刻、言われた通りに膝を立てた
司馬先生は、特に言葉を掛けるでもなく、立てた膝を左右に開き倒し、ブランケットをお腹まで捲り上げた
司馬先生の目の前で密部が曝け出され、咄嗟に脚を閉じた
「何度も言わせるな…」
その冷酷な一言に閉じた脚を緩ませた
司馬先生は再度膝を左右に押し倒し、大きく開かせた
緊張、不安、恐怖、そして恥ずかしさ…
色んな感情が混じり合い、脚が震えた
この震えは司馬先生にも伝わっていた
「ただの検査だ…。。」
一見冷たい言葉だが、その一言が案外不安を取り除いてくれるのだ
綾は小さく頷いた
司馬は膣鏡と蜜部にジェルを塗った
「痛くない様に入れてやる。力だけ抜いてろ!良いな?」
綾はまた“うん”と頷いた
「ゆっくり深呼吸して。」
司馬は産科医ではないが、腕が良いだけあって、何でもそつなくこなす
上手くタイミングを合わせ、スッと奥まで入れていく
「もう入った。。そのまま楽にしてなさい。」
綾は頑張って深呼吸を続けた
しばらくし、ピピッと計測音が鳴った
不意に機械を見つめる司馬先生の方を見た
眉間に皺を寄せ、表情が険しくなった感じがした
89……
司馬自身、今まで見たことのない高値に、表情に出そうになった
「抜くぞ」
そう一言告げる先生の顔は、いつもの表情が読み取れない無表情の先生に戻っていた
