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先生…お願い。早く治して・・・

第84章 才色兼備な元カノ…



一呼吸おき、冷静さを取り戻すと、ソファーの背もたれから身体を起こす



石川「で?今の状態は?」




司馬「 熱も38℃以上あるし、治療前からあまり良い状態じゃ無かったからな…。その数値が今日俺がやってやれる治療出来る限界値だった。」




石川「89から63…か。まずいな…」



司馬「これだけの高数値を叩き出しておいて、胸には溜まってない。ただ脇下のリンパの炎症が強く見られる。多分だが、そこからきてるじゃないかと俺は思う。」




石川「んぅ〜確かに。今までの上がり方と乖離してるな」





石川「で今は?病室か?」




司馬「あぁ。高が連れてった。」




高梨「もしかしたら今、治療中より熱上がってるかも。宮田君に頼んできたけど、治療終わってからもずっと泣きっぱなしで…、、やっぱり院長じゃ無いと無理ですね。流石の俺でも宥めるのは無理でした。」




石川「…分かった…。。」




司馬「なぁ、いっぺん、シンに診せたらどうだ?」


石川の双子の弟シンは、外科医だが専門は乳腺、乳がんなどの外科的手術と乳房再生手術を得意とする医師


それ故に、診ている数が格段に多く、触診だけで見抜いてしまう腕の持ち主だ





シン「いいよ!!今からだっていいよ〜!」




石川「今はいい!!その時が来たら言うよ!」



シン「そお??」




石川「あぁ。」



そういうとソファーから立ち上がった



梨沙「ゲン、今から、その患者さんの所に行くの?」





石川「あぁ。梨沙、おまえ、今日は遅いし疲れてるだろうから、泊まってけ!どうせ明日休みなんだろ?」




梨沙「うん。」




石川「高、俺の代わりに部屋案内してやって? 」




高梨「はーい。」




梨沙「ゲン…戻って来ないの?」





石川「あぁ多分、戻って来ない。」


そうだよ。と当たり前の様にサラッと流された



構って欲しいわけじゃないけど
なんか、ちょっと寂しいな…





梨沙「そっかぁ。じゃ、お部屋借りるね。」


どこか少し寂しげにニコッと笑った




石川「あぁ。お疲れ様っ。」


石川はニコッと微笑み返すと、オペ着の上に白衣を羽織り、1人休憩室を出て行った






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