
先生…お願い。早く治して・・・
第85章 才色兼備な【元・彼女】と、自信の無い【今・彼女】
朝8時…
久しぶりにこんなに寝たな…
横に寝ている綾も、今度は気持ちよさそうにスヤスヤと寝ている
良かった…
寝ている綾にニコッと微笑み、起こさない様にそっとベットから降りると身支度を整え診察室へと向かった
石川は外科医としてだけではなく、天堂会総合病院の院長としての仕事も多く毎日がめまぐるしい
この病院での決定権は全て彼にある為、日々彼の元へ上がってくる書類や案件が山積みなのだ。
いつもなら、応接間のある院長室のデスクで書類に目を通すが、今日は土曜日…。元々、綾の為に空けていた日ゆえに来客の予定も無い。
綾が痛みで起きて来るかもしれない。だから院長室から診察室のデスクに書類を運び、仕事を始めた。
「よし、やるか!」
淹れたてのコーヒーをマグカップいっぱいに入れ、心の中で気合いを入れた
仕事を開始して約1時間半…
ふぅ〜、よしっ…。。。
一通り目を通し終えた
腕時計に目を落とす
9時45分…
綾ももう目を覚ましているかな…
部屋に戻ろうとした時、来客を知らせるチャイムが鳴った
石川「…?!はいっ。」
モニターには梨沙の顔が…
梨沙「ごめん。帰る前に挨拶したくて…」
石川「どーぞ。」
ロック解除のボタンを押した
トントントン
院長室に入った梨沙は、その奥にある診察室のドアをノックした。
石川「どーぞ」
