先生…お願い。早く治して・・・
第18章 初めての治療(前編)
先生は私の顔を覗き込むと、
「 ごめんごめんっ。怖いよな?でもねお腹痛いの限界でしょ?違う?」
『…我慢出来る…っ…えっく…』
泣きながらも、治療が回避できるなら…とここに来て綾の医者嫌いと我慢強さが表れる
石川は怖がらせない様に優しく微笑むと
「綾ちゃん、怖いよな…。でもね、そういう我慢はダ〜メ。溜まってるの出せば楽になるからっ。ね?」
そんん事言われても、簡単に“ハイ”とは言えない。だって怖いもん。
『 ヤダ〜、我慢できる〜やりたくない〜』
綾は泣きながら大きく首を横に振った。
その時、横にいた宮田の顔が目に入った。
嫌だと宮田に訴えようと思ったが…、直ぐに無理だと判断した。宮田の顔はいつもの冷たい怖い表情だった。
“ お嬢様…。”
一瞬にしてこの一言がこの後の治療を拒否出来ない空気感を作り出した。
宮田怒ってる?甘えていいって言ったじゃん…
“ お嬢様、いくら拒否してもこの治療は避けれませんよ。私も付いてますから、大丈夫です。”
『 ………。』
…グスン…
ダメだ…もう本当に逃げられない…