
先生…お願い。早く治して・・・
第85章 才色兼備な【元・彼女】と、自信の無い【今・彼女】
(私達の会話を経つ様に突然鳴り響いた大きな音
その大きな物音に、ハッと顔色を変え一目散に駆け出したゲン
その次に聞いたのは、ゲンが叫んだ私の知らない女性の名前
「あや!!」
だれ?というより、あの方向はゲンのプライベートルーム。そこに女性がいるの?
正直凄くショックだった…
ゲンが言う、追ってでも側に置いておきたい彼女
それがゲンが叫んだ彼女の名なのだろう…)
診察台に寝かされた途端、綾の身体はガクガクと震え出した
違う…
恐怖に飲み込まれた様な表情と尋常ではない震えに、石川は危険を感じた
このまま治療すれば、綾の精神は確実に壊れる…
そう思った
石川は綾を優しく強く抱き締め、耳元で囁いた
石川「あや。。大丈夫。。約束する。先生、お前が怖がる様な痛い事は絶対しない…。怒ったりもしない…。だから何も怖くないよ、俺を信じてくれ!」
石川は綾の頭を優しく撫でると、優しく微笑んだ
綾『んっ…んん……、もう痛いのやだ…せんせぇ〜こわいよ…やだよ…』
石川「大丈夫、怖くないよ。約束する、痛くしない。な?」
石川「梨沙?まだいるか?」
カーテン越しに声を掛けた
梨沙「う、うん。」
石川「わるいっ、30分で良い、手伝ってくれないか?」
梨沙「え?うん。良いけど…」
石川「悪いがこの子に麻酔掛けてくれ、30分位で良い…。」
綾「ヤダぁ〜!やっぱり痛い事するんでしょ?注射やだぁ〜やらない!!もうやだぁ〜…ぅぅッ…んっ…」
石川「綾!聞いて?大丈夫!!注射はしないよ!言ったろ?先生痛い事はしないって。」
先生はニコッと笑う
