
先生…お願い。早く治して・・・
第85章 才色兼備な【元・彼女】と、自信の無い【今・彼女】
梨沙「…中…入って、いい?」
石川「あぁ、良いよ」
一度は自分から振ったものの、ゲンに再会する度に後悔が増しているいる自分がいた。
でももう…ゲンには別の人がいる事を知ってしまった…
そして、その人は…
今このカーテン越しにいる女性なのだろう…
会うのが怖い…
見るのが怖い…
違う
現実を受け入れるのが怖いんだ…
でも私も医者だ
救わなきゃ…
梨沙は一呼吸おき、カーテンを開け中に入った
そこに居たのは、栗色の柔らかな髪のロングヘアーの女性
想像していたよりずっとずっと若い女性だった。
身を丸めている身体はとても小さく華奢で、顔は手で覆っていて確認出来ないが、ちらりと見える横顔はとても可愛い。
石川「…梨沙、麻酔を頼む。」
梨沙「…あっ、、うん。場所は?」
石川「全身だ!時間は30分も保てば充分だ!!」
梨沙「うん、分かったわ!」
梨沙はベットを離れ、手際よく準備を始めた…
ベットの周りには機械や点滴と、次々と麻酔を掛けるための準備が進められていく
綾『んっ…っ、んっ…っく…いたいよぉ〜、、』
その間も綾は、痛みと治療の恐怖に顔を隠し泣いていた
石川「痛いな…。。今、痛みとってやるからな」
石川は寝ている綾の腰に手を当て、優しくさすりながら声を掛ける
