テキストサイズ

先生…お願い。早く治して・・・

第87章 石川先生の特別治療①



先生は小さな土鍋で作った卵粥を、お茶碗によそってくれた。



石川「はいどうぞっ。熱いからね。」




綾『うん。ありがと』

綾は熱々のお粥をスプーンで掬い、ふーっと息を吹きかけお粥を冷まし口へと運んだ




綾『美味しい〜!!先生!凄い!』




石川「そうか?良かった。じゃ、俺も食べようかな!」


石川も嬉しそうにニコッと微笑んだ。



綾『まさか先生の手料理、食べれると思って無かった』


石川「俺だって作ると思って無かったよ」


たわいもない会話をしながら、並んで一緒に食べる。とても幸せな瞬間だ。



しかし、薬で無理矢理痛みを抑えている身体では中々食欲が進まない



石川「綾、無理して食べなくて良いからね。食べれる分だけ食べなさい!」





綾『…うん。』

よそってくれたお茶碗に少しお粥を残し、スプーンを置いた





綾『ごめんなさい……先生。せっかく作ってくれたのに…』







石川「良いんだよ!少しでも食べれて良かったよ。」



石川は綾の頭に手を置き、くしゃくしゃっと頭を撫で、ニコッと笑った





綾『ねぇ。…せんせ?』


少し不安気に石川を見上げる


石川「ん?」



綾『………。。』




石川「何?言ってごらん?」




綾『…。。さっき、、私…寝てる時、治療…終わったの?』


恐る恐る俺に尋ねる綾の顔を見合わせた



石川「…半分な。」




綾『半分?』




石川「そっ。綾が嫌がる痛い治療とか、お腹の内診とかは終わったよ!」





綾『…それじゃ、……半分は、、これからやるの?』




石川「そうだな。」


石川は小さく頷いた





ストーリーメニュー

TOPTOPへ