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先生…お願い。早く治して・・・

第91章 久しぶりのICU治療室



この日は休憩の度に、
高梨先生、司馬先生、相良先生、伸先生がちょくちょくと様子を見に来てくれた。


けど、肝心の石川先生とはまだ一度も会っていない


昨日は私が今まで知らなかった先生の大人な顔を見てしまったし、時間が経つほど昨日の恥ずかしい記憶が蘇り、恥ずかし過ぎて、どんな顔して会えばいいのかと考えてしまう




夜の回診の時間…

石川先生…来るかな…

ちょっとドキドキして待っていると



高梨「どお?調子は?」

回診で来たのは高梨先生だった




綾『…だいぶ良いです……。』

心なしか元気がない様に見えた




高梨「どうした?なんか元気ないね。どっか痛い?」


先生達は私の事を本当、よく見ている…


綾は首を横に振った



高梨「嘘つくな〜何?どうしたの〜?」

そう言うと、先生はベットの横の椅子に座った




綾『……石川せんせぇは…?』


そういう事か…


確かに昨日一瞬目を覚ました時以来、綾が起きてる時に会ってないんだよな…


昨日は極端に意識レベルも低下してたし、下手したら昨日目を覚ました時の記憶すら曖昧かもしれないな…




高梨「院長は今日も大忙しだよ!今はオペ中かな。」



綾『そうなんだ…。』

私ばかりに構ってられないもんね



高梨「何?寂しんだ〜。」


綾『馬鹿っ!!違うっ!」


高梨「馬鹿ってこたぁないだろっ!」


5人の先生の中で一番言いたいことを言える先生だ



高梨「ほらっ、良いから!とっとと診察して寝るよ!まだ本調子じゃないんだから!!」


そんなこんなで夜の回診も終わり

結局消灯時間…

みんな心配してちょくちょく顔を出してくれるのに

石川先生には結局会えなかったな…

忙しいのは分かるけど…やっぱり悲しいな…




明日は会えるかな…


会いに来てくれるかな…


そんな事を思い、眠りについた





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