テキストサイズ

先生…お願い。早く治して・・・

第91章 久しぶりのICU治療室



綾『ウエッ…ぅぅ"ッ…ンエッ…ック…』

綾は声をしゃくり上げて泣いていた


伸「司馬先生…俺、見てもいいです?」


司馬「あぁ。」







伸先生は綾の顔を覗き込むと


伸「どうしたどうした?ん〜?大丈夫か?」


石川先生ではないのは分かるが、優しい声と顔で安心させてくれる伸先生は、まるで石川先生にすり替わったかの様に、私を安心させてくれる



伸「大丈夫。もう泣かなくて良いよ。痛かったな…。」


震える肩を優しくポンポンと叩く





綾『…んぅ…ック…』



伸「どれ…。ちょっと先生に見せて?」




綾『ヤダ〜ッ…いたいもんっ…』


ウルウルと潤んだ瞳で嫌だと訴える



伸「大丈夫だよ〜昨日の朝、先生診察した時、大丈夫だったでしょ?」


ん?と覗き込む


綾『…。。。』



伸「大丈夫だから見せてごらん?ね?」


っと、ニコッと笑って見せた


伸「大丈夫、、そのまま腕は下ろしてていいからリラックスしてて。怖くないよ!」



綾『…ヒック……ヒック…』



伸「どれ?ちょっと前開けるよ?」


伸先生は両胸がしっかり見える様に綾の病院着を開いた



上から両胸を見比べる様に真剣に見つめる


昨日と比べ、注射痕はほぼ引いて、治療による腫れは引いているが、やはり左胸の方が腫れているかな…





伸「よし、そしたら昨日みたいに診ていくよ!綾ちゃん、昨日先生と約束した事覚えてるかい?」


綾『やくそく…?』

今にも消えそうな小さな声で答える



伸「忘れちゃった?先生が触診する時は泣かないで我慢するって約束!」


ニコッと微笑みかける


伸「思い出した?」



綾は小さくコクンと頷いた



伸「大丈夫!先生、出来るだけ痛くない様にするから、心配ないよ!!ね?」






ストーリーメニュー

TOPTOPへ