先生…お願い。早く治して・・・
第18章 初めての治療(前編)
石川は先ほどよりも針の細い特殊な注射器を手に持つ
「 綾ちゃん、またチクっとするよ。今度はちょっとごめん、痛いよ。動くと危ないし、もっと痛くなるから、少し頑張ろうな。」
『ヤダーー!痛いのヤダ!!ヤダヤダやりたくないっ』
「宮田、危ないから、ちょっと押さえてて」
“ …はい。”
“お嬢様、ちょっとの我慢です”
『ヤダョ〜ヤダヤダ〜』
「ごめんねっ」
石川は綾の小さな乳首をそっと摘むと、ゆっくりと針を刺した。
ちくぅーー
『 痛いっ!痛いーー!!ヤダ〜ヤダヤダ』
表面麻酔はしていたものの、針が心部に突き刺さると敏感なその部分は悲鳴をあげた。
「 ごめんごめんッ。。痛いよなッ。でも動くともっと痛くなるから、ちょっと我慢な」
刺さった針からゆっくりと麻酔液が注入されていく度、激痛がはしる
『痛いーーーー!ヤダ〜やだ〜抜いて〜…うう"っ…』
綾は宮田の方を向いたまま、小さな子供の様に泣いた。
「 ごめんね。痛いね…もう終わるからね。」
「よしっ、よく頑張った」
先生はゆっくりと針を抜いた。
未だ号泣している綾に宮田は
“ お嬢様、良く頑張りましたね。”
優しく頭を撫でる
正直、ここまで泣かれると、可哀想だとは思うが
全ては綾の為だ…
「綾ちゃん、ごめんな。最後な…っ」
『もうヤダッ!絶対やらないッ。やらないーー』
全力で石川から逃げる様に身体よじる
石川は宮田をパッと見ると
綾の知らない所で目で合図を送った
“ お嬢様…、大丈夫。”
落ち着かせる様にしっかり自分の方に引き寄せつつ、暴れない様にさりげなく押さた
「ごめんね。。」
そう言うと再度小さな乳首を摘み、狙いを定めると、細い針をゆっくりと沈める
『んぁーーーッ、ヤダーーヤダってばー』
痛くて痛くて泣きじゃくる綾
「ごめんな〜」
医者である以上、治療を拒まれ泣かれる事は正直よくある事だ…
どんな時も冷静に処置する事が何より大切だ
石川は丁寧にゆっくり、敏感なその場所へ麻酔を打った
「よ〜し!!よく頑張った。。」