
先生…お願い。早く治して・・・
第92章 すれ違う2人…。そして始まる伸先生の治療①
ビーーーッ音がなり、扉が開くと
Yシャツに真っ白な白衣を身に纏った石川先生の姿が目に映った
久しぶりに見る石川先生…
いつもこの扉から入って来る事を期待し待っていた姿…
先生は私のいる方へと一直線に歩いて来る
石川「綾、大丈夫か?」
先生は心配そうな顔で私の目を見つめた
みるみるうちに目には涙が溜まり、ポタポタと溢れ落ちる
石川「綾…大丈夫。泣かなくていいよ。先生側にいるから頑張ろうな。」
そうじゃない…
なんで?
なんで?
こんな時しか来てくれないの?
私はただ…
綾『…ンッ…ンン…』
石川は綾の頭に手を当て、ただ優しく顔を見つめてくる
綾『…ンッ…そうじゃない〜!ック…ど……どうして?…どうしてこんな時しか来てくれないの?っ…ッ…わたしは、わたしはただ、ほんのちょっとでも先生に会いたかったのに…』
石川「ごめん…。来たかったよ。本当に。どうしても時間取れなかったんだ。」
綾『嘘!!みんなだって忙しいのに…いつもみんなちょっとの時間でも来てくれて…。。なのになんで先生は来てくれないんだろうって。。。待ってたのに…」
石川「ごめん…。」
綾『治療する時ばっかり…ンン…ック…ヒッ……結局先生が来るのは私に治療させるためでしょ?』
石川『本当、ごめん。」
先生は悲しそうに私を見つめる
司馬「綾!!それは違う!」
そこに割って入ろうとしたのは司馬だった
石川「良いんだ!司馬!良いんだよ。本当の事だ…。綾の言う通りだ…」
これ以上言うな…と石川の目は言っていた
綾『…んッ…ック…ヒッ…ック…ック…』
司馬「……。」
気まずい空気を割って入って来たのは伸先生だった
伸「よし、じゃぁ準備出来たから、治療していこうか。」
