先生…お願い。早く治して・・・
第92章 すれ違う2人…。そして始まる伸先生の治療①
気がつけば、心の中は恐怖でいっぱいで、
目からは涙が流れ落ちる
石川「怖いな…。大丈夫、先生終わるまでずっと側にいるからな…」
綾『んぇッ…ッ…ンッ…ンッ…』
私、あんな酷いこと言ったのに…
先生は私の左側に座り
左手をギュッと握ってくれて、一生懸命私を落ち着かせようと、ずっと頭を優しくぽんぽんと優しく撫でてくれている
綾『…んェッ…ック…ンッ……ッ…』
石川「大丈夫大丈夫…。」
今更、先生の顔を見れない…
少しすると、伸は綾の右側にやって来た
伸「よし、じゃぁ〜綾ちゃん、治療していくよ〜。最初は一番炎症の強かった所に麻酔打つからね。表面麻酔してるからそんな痛くないと思うけど少し頑張ろうね。」
マスクを付け、麻酔のせいで少し目をトロンとさせる綾の目を見つめ話し掛ける
綾『…ヒック…ヒッ…ク…』
伸「綾ちゃん、頑張って早く終わらせような!!」
先生はニコッと笑った
伸「そしたら兄貴、綾ちゃんの腕上げてくれる?出来たら腕の下に枕入れて支えてて欲しいな」
伸は兄貴である石川に声を掛けた
石川「分かった!」
高梨は、すかさず石川に枕を渡した
石川「おぉ〜サンキュー」
麻酔の影響で身体に力も入らず、綾はされるがままで抵抗する事すら出来ない。
そして石川の手によって腕の下に枕が入れられた
綾『 やだぁ〜っ…ック…んえっ…ック…』
伸「ごめんねぇ〜、ちょっとチクッっとするよ〜」
脇の下から腕に3cmほど進んだ腕の裏側に
ゆっくりと針を刺した
綾『んっ……っ…っ……。。』
塗麻酔と鎮静剤の効果もあり、ほんの少しの痛みだった為、なんとかじっとしていてくれた
石川「綾〜偉いな…もう少しだからな〜」
先生は絶えず声を掛けてくれた
3方向から炎症部位に麻酔が打ち込まれた
伸「綾ちゃん!麻酔効いてるから今からやるのは痛くないからね〜。最初は中に溜まっている、膿を全部取り出して、それから洗浄して薬入れていくよ〜。大丈夫だからそのままリラックスしててなぁ〜」
伸先生の治療…麻酔入れるのもそんな痛くない。
やっぱり伸先生診察の時と一緒で優しいな…
綾はぼーっとしてる意識の中、そんなことを思っていた