
先生…お願い。早く治して・・・
第92章 すれ違う2人…。そして始まる伸先生の治療①
綾「ック…ッ…せんせ…もうっ…やだっ…もうやだぁ〜っ…ック…もう痛いのヤダ…ウッ…ンンッ…もうヤダぁ〜うえっ…ッ』
あまりの痛さに身体はガクガクと震え、精神的にももう限界なのは誰が見ても分かるほど、綾は嗚咽混じりで泣き喚いていた…
石川「…ごめんな…あや…」
石川は目を細め、綾の頭に手を乗せ宥める
綾『…おねがいっ…もうっ…やだっ。やだよ…っ、もうやだぁ〜もうやだぁ〜うぇっっ…っく…っく…やぁ〜だぁ〜っ…』
石川は悲痛な顔で必死に訴える綾に、掛ける言葉がなくなる
伸「綾ちゃん、ごめん、痛いよな…。。本当ならここでやめてあげたい所だけど、ごめん…。。その代わり、本当ならあと2本は打たないといけないんだけど、最後1本で終わらせるから…だから最後頑張ろう?な?」
綾『もうやだやだぁ〜!!やだぁ〜ック…ック…もうムリ〜やらない〜ンエッ…ック…せんせぇヤダーーー!!ック…お願いもうやだ〜…ウッ…ンエッ…んっ…ご、ごほうびなんて…も、もういいっ…いらない…から…ッ…もうやんないっ!』
高梨「あや〜、ここまで頑張ったんだ、後1本で終わりだよ!もう少しだけ頑張ろ?」
司馬「綾、ここで止めたら、今日やった治療が無駄になるぞ!良いのか?」
足元、胴体部分と綾を押さえていた二人もたまらず声を掛ける
綾『…だって…ンン…ック…も、ムリッ!!やだぁ〜ヒッ…ック…もう…いっぱい我慢…っしたもんっ…も…頑張れないっ…も…も…もうっこんな痛いのッ…やだぁ〜…んっ…』
石川「………」
石川は次々と流れ出る涙を指で拭いながら、泣きじゃくる綾を見つめ頭を撫でてやる事しか出来なかった…
こんな耐え難い苦痛に耐えて耐えて、限界が来ている子に
もっと頑張れなんて、言えない…
自分が処置をする時は、心を鬼にしてもやってはきたが…
今日は違う…
“先生は私に治療させる為に側にいるんだろう…と。。。”
治療前に綾から言われた言葉が、胸に突き刺さる。
俺が励まし支えようと思って発した言葉や行動そのものが結果的に綾を傷つけいたのかもしれない…
そう思うと余計に言葉が出てこない…
言葉に詰まる。。。
